芯地作り
- mete
- Dec 19, 2021
- 2 min read
服の内部を目にすることは、普段の生活ではまずないとおもいます。一般的な服には、ハリを出して見た目をよくするため、強度を出すためなど、目的に応じて芯地というものが入っています。
既製服では、ノリがついた芯地をアイロンで貼り付ける、接着芯を使うことが多いです。手間はかからないかわりに、糊でくっつけるので生地が硬くなってしまいます。テーラーでは毛芯と呼ばれる、フラシ芯(糊がついていない芯)を使います。ウール、アルパカ、馬の尻尾(バス毛芯といいます)など、動物の毛が使われていたので毛芯と呼ばれたのですが、今では綿や化繊で毛が入ってなくても、毛芯と呼んでいるそうです。
何種類かの芯地を合わせてひとつの芯にします。作り毛芯という完成したものも売られていますが、私の先生は作られていました。手間はかかりますが、そのほうが微妙なクセトリができるので、より体型に合った着心地の良い服ができるという考えからです。今回は毛芯作りのご紹介です。

台毛芯、バス芯、フェルト、スレキ、アルパカ、袖裏の6種類の生地を芯にしています。肩のボリューム、バストのふくらみなどを想定して、ダーツを入れて立体的にしていきます。ジャケットの内側の芯が立体を形作るので、ジャケット作りの土台といえるかもしれません。
全てのパーツを載せてしつけどめしたら、ハ刺しと呼ばれる作業です。全てのパーツをしっかりとより立体になるよう縫い留めていきます。縫いとめていく形がカタカナのハの字に見えるのでハ刺しと呼ばれています。



ボリュームが出ているのが写真から伝わりますでしょうか。立体を想像しながら、力を微妙に加減しながら1針1針すくっていきます。
肩周りは沿うように、ハ刺しの向きを変えています。肩のボリュームは前肩にするため。人の腕は前に動くので、ジャケットもそれに合わせた作りにすると腕を動かしやすい服になります。これを前肩にすると呼んでいます。
芯地は、中に入っている部分なので外からぱっと見は分かりません。こうした細かい作業の積み重ねが、お客様が袖を通したときによりよい服になると信じています。



Comments